人文・社会
概要
著者自らが日本の歴史の現場を丹念に辿り、集めた資料や現地の様子から気づいたことをディープにまとめた、素人歴史探偵の快挙!
前作「それゆけ! 歴史街道 よこ道、うら径、まわり路、ときにゆきどまり途」から2年。その後も、著者の彷徨は飽くことなく続き、ここに第二弾が成就されることとなった。著者の歴史好きは子どものころからといい、「歴史をたどるという作業は、素人は素人なりに楽しい事である」としている。本書でも著者は、前著と同じように歴史の現場にすべて足を運ぶことで歴史を“疑似体験"している。そこには思い込みはなく、あくまでもエビデンスと客観的な眼で歴史をとらえ返している。
細野哲弘 プロフィール
1976年4月通商産業省(現 経済産業省)入省。通商貿易政策、中小企業政策、流通政策関係部局のほか、マレーシア、ドイツ日本国大使館勤務などを経て、資源エネルギー庁資源燃料部長、資源エネルギー庁次長、経済産業省製造産業局長、特許庁長官、資源エネルギー庁長官などを歴任。2011年9月退官後、(株)みずほ銀行顧問、(株)JECC代表取締役社長などを経て、2018年4月より独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(現 エネルギー・金属鉱物資源機構)(JOGMEC)理事長。
「学校で知っておきたい知的財産権」1~3巻(汐文社)監修。
目次
はじめに
託孤寄命に導かれ
紡ぎ伝えられる遺命(その一) ─武田松姫の生涯─
紡ぎ伝えられる遺命(その二) ─保科正之の生涯─
細川家にとっての「関ヶ原」
心の種をのこす言の葉 ─細川幽齋─
梓弓もと立つばかり道を正して ─忠興とガラシャ─
吾れ時局に臨みかく始末せり
員に備わるのみ ─大久保一翁にみる敗戦処理の美学─
恐れながらお尋ねにつき申上げ奉り候 ─幕末期のある経世家の足跡──
日露戦役を蔭で支えた益荒男たち
怡与造と林太郎そして源太郎のクラウゼヴィッツ
独り剣を撫して虎穴に入らん ─日露戦役をインテリジェンスはどう支えたか─
宏猷を翼賛するは此秋に在り ─三寸の舌 三尺の腕 の威力─
渡りて聞かむ雁金の声 ─高橋是清の奮闘─
小評論
鎌倉草創期の「真実」
なすことも なき身の夢の さむるあけぼの ─テクノクラート小堀遠州にみる近世行政官の矜持─
水晶 瑞松 随所に誉れあり ─我が国特許第一号─
〈付録〉
折々に詠みし戯れ和歌