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東大闘争 50年目のメモランダム 安田講堂、裁判、そして丸山眞男まで

東大闘争 50年目のメモランダム
--安田講堂、裁判、そして丸山眞男まで

和田 英二 著

価格 1,800円(本体価格)+税 
ISBN 978-4-904979-27-3
発売日 2018/11
ページ数 264ページ
版型 四六判 ハードカバー
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概要

50年前の催涙弾が、今しみるのはなぜだろう。安田講堂攻防戦を頂点とする東大闘争、その真っただ中を駆け抜けた一人の法学部生が語る、闘いの真実。前半は、当時の東大法学部生たちの様子、安田講堂攻防戦、参加者の大学別人数、攻防戦に続く逮捕・勾留・裁判の、笑いも涙もある闘いの物語。後半は、著名な政治学者、法学部の丸山眞男教授が東大全共闘を「ナチもしなかった」と非難した、と報じられた事件を題材に、世に伝えられる史実の危うさに迫った、上質のノンフィクション。本書は、著者の体験と豊富な文献を基にした、類書にない東大闘争の記録である。

和田英二 プロフィール

1966年 東京大学文科1類入学
1968年 法学部進学
1969年 東大安田講堂攻防戦に参加
1969年 東大安田講堂攻防戦に参加
現在 自由業(東大闘争研究家)

目次

まえがき
『安田講堂戦記』地図
第一部 安田講堂戦記

序章 一九六八年秋――東大安田講堂前広場
第一章 法学部闘争委員会――安田講堂の学友諸君
第二章 前哨戦
 一 情況
 二 法学部無期限ストライキ――あかつきの学生大会
 三 提案集会――加藤総長代行拉致作戦
 四 法学部研究室の無血開城
 五 医学部学生大会――流血の乱戦
 六 一九六八年は暮れて行く
 七 七学部集会――ラグビー場、遥かなり
 八 民青外人部隊の来襲
第三章 安田講堂攻防戦
 一 援軍、全国より来たる
 二 残るべきか、出るべきか
 三 東大全共闘、最後の集会
 四 安田城
 五 安田講堂攻防戦――六九年一月一八日
 六 小康
 七 安田講堂攻防戦――六九年一月一九日
第四章 安田講堂守備隊名鑑
 一 守備隊の総数
 二 大学別の人数
 三 東大生は全部で何人いたか
 四 法学部闘争委員会の人数
 五 報じられなかった不都合な真実
第五章 警察留置場
 一 初めての宿
 二 留置場の風景
 三 安田か? 俺は法研だ
 四 O弁護士の接見
 五 留置場の学友諸君
 六 俺は中隊長
 七 M検事の取調べ
 八 家族の面会
 九 留置場に起きた波紋
 一〇 G巡査の別れのあいさつ
第六章 東大裁判
 一 中野刑務所の日々
 二 畏友の出獄
 三 接見室の白熱講義
 四 東京地裁の分割公判――隠されたXファイル
 五 荒れる法廷
 六 退廷、退廷、また退廷!
 七 超タカ派判決の事実誤認
 八 東京高裁の控訴審
終章 安田講堂攻防戦始末
『東大闘争 50年目のメモランダム』年表

第二部 丸山教授の遭難

序章 二〇一八年春――東京女子大学丸山眞男文庫
第一章 丸山教授の遭難
 一 丸山教授のナチ発言報道
 二 吉本隆明の丸山批判『収拾の論理と思想の論理』
 三 講義再開阻止闘争――人民裁判
 四 四面楚歌の丸山教授
第二章 丸山教授の冤罪序説
 一 悪魔の証明
 二 毎日ナチ発言報道の不審
第三章 法学部研究室封鎖――丸山教授の論理と心理
第四章 丸山教授の沈黙
第五章 黙る内藤、喋る庄司
 一 丸山教授を囲む「’60 の会」
 二 内藤國夫『ドキュメント 東大紛争』
 三 まさかの悲劇
 四 庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』
 五 言ってはならないこと
第六章 死せる丸山、生ける教え子たちを喋らす
第七章 丸山教授の弁明
終章 民主主義の精神

あとがき