人文・社会
概要
時代と場所を共有したエレメントたちが織り成した集積物
本書は、すでに他界した奥村真が書き残した文章と共に、彼を巡って集まった古い友人や知人たちが綴った、異色と言っていい追想集である。そこには、1960年代から現代に至るまでの時代状況とそれを支えていた精神がおのずと書き記されている。
奥村真プロフィール
昭和24年(1949年)5月
岐阜県海津郡高須町に生まれ、その後三重県四日市市に居住、小学四年の時、伊勢湾台風で被災。
昭和43年(1968年)3月
愛知県立旭丘高校卒業。高校時代はサッカー部に所属し、俊足+意表を衝くプレイで活躍。
昭和44年(1969年)4月
早稲田大学文学部(ロシア語)入学。早稲田闘争、三里塚闘争を経て、さまざまな職を経験しつつ、詩人、俳優としても活動
平成21年(2009年)9月26日(伊勢湾台風五十年目の日)逝去。
福生のタイレストラン「チャオプラヤ」で遭難。享年60歳。
目次
はじめに
第一章 旭丘高校時代
「少数派」として「我が道を行く」こと 山内 将史
先逝く才藻の友の物語 山根 隆行
旭丘高校の教育は何であったのか、あるべきなのか 廣林 卓
第二章 早稲田大学時代
会うことのなかった奥村真先輩に捧ぐ 樋田 毅
奥村真君 成仏してください 高橋 公
奥村真さんのこと 長谷 百合子
奥村さんと新宿ゴールデン街ひしょう 山岡 俊秀
魂の革命家 詩人 奥村真さようなら 田島 和夫
マドカと共有した時代 山崎 繁雄
第三章 詩人としての時代
ひるがえるビトガン 〜『オホーツクの紙屑』と私たち 平井 弘之
懐かしのメロディー(2) 奥村真さんの詩集について 山岸 光人
陋巷に死す── 悼・奥村真 田村 雅之
ゴールデン奥村逝去 根石 吉久
奥村真の第一詩集をめぐって 佐々木 幹郎
はぐれ者の歌 ──あるいは神の庭 福島 泰樹
資料
参照された「寝言綺語」 奥村 真
編集後記
奥村真さんの書棚 中井 健人